本当の浅い呼吸とは
呼吸には浅いと深いがありますね。だけど、その意味を誤解されている人が多い。大事なのは「呼吸の間」なのです。
吸って吐いて、次吸うまでの間がどれだけ長いか。その間が長いのを深い呼吸と言います。間が無いのを浅い呼吸と言う訳です。
当院に来られる様な人は、何かしらの不調を感じて来られるので、大体皆さん呼吸が浅い。スポーツの大会前のコンディショニングで来られる様な人は、深い呼吸の人もおりますが。
呼吸が浅いという事は、眠りも浅い。これは必ずそうなりました。
眠りが浅いのをレム睡眠と言いますけど、この状態の時は「体は寝ているが脳は起きている状態」です。現代人は脳疲労で疲れており、実際には体は余力を残している事が多い。なのに脳を回復させないのですから、疲れが取れないのは当たり前です。
鳩尾での呼吸
前に「深呼吸は歪み発見器」だと書きました。深呼吸をしてもらうと、それで状態の善し悪しが測れてしまう。最近私が研究中の操法で、深呼吸を使ったものがあります。ちょうど今日、授業で生徒に教えたばかりなのですが。
鳩尾で呼吸している人が結構多いのですが、これは「息が詰まる」という状態。好ましく無い状態です。
精神的なストレスでも詰まりますが、体の疲労からも詰まる。とにかく不健康体である事を示唆しています。
それが深呼吸をしてもらうと、これは初心者が観てもよく分かるのです。
観察が大事な整体ですから、観察しやすくする方法は役に立つ。新たな技法の考案にも欠かせません。
鳩尾の辺り、上丹田と言いますけど、ここの硬い人が多いですね。ここは常に柔らかく無いとダメ。気を張りすぎなのでしょう。
上丹田の硬直が取れれば、それだけで息がしやすくなったり、脈が安定する。それらは全身に影響する事ですから、どの症状でも改善に向かう。
腹部の場合、上丹田・中丹田・下丹田のバランス調整が何より大事と言えるでしょう。
(武道をされている方が言う丹田は、下丹田の事だと思います)
まとめ
鳩尾で呼吸しているのは、息が詰まっている状態。この状態は不健康体です。常時疲れている感じが抜けず、肩コリとして感じる人もいますし、寝違いもしやすい。眠りが浅いし、頭痛や腹痛にもなりやすい。
要するに全ての症状と関係してくる問題なのです。
これの調整は非常に重要なのですが、場所が人体の急処ですから、闇雲に触ってはいけない。逆に体を大きく毀す原因にもなりかねないから。
そして深呼吸を使った技法なのですが、一応は腰椎ヘルニアの調整のために考案しました。色々試した結果、ヘルニア以外の腰痛にも効果的な様です。
腰痛用のつもりでしたが、結局ほとんど何にでも使える事が判明し、リスクも無く安全なので自己満足しております。
リスキーな技法は、自分で使うのも神経を使うのですが、教えるのも気を使うので、なるべく安全性の高い技法が好ましいと思っています。
春は呼吸器を毀しやすい季節です。
息の詰まっている人は御相談下さい。