栄養過剰の危険性
整体はしつこいくらいに、栄養過剰の害を説きますが、本当に要注意なのです。食糧難の時代でしたら注意が栄養を如何に摂るか?という方へ向くのは当然ですが、今は豊食の時代ですから逆の意識が重要でしょう。
食べ過ぎますと、肝臓に大きな負担がかかります。(他の臓器もですが)
東洋医学では「肝腎要(かんじんかなめ)」と昔から言います通り、肝臓は2大臓器の1つ。ここが正常に働きませんと、人間は健康でいられない。全く肝臓が働かなかったら、すぐさま死んでしまうくらいです。
肝臓と言いますと、どうもアルコールの問題とばかり思われる方が多いので、指摘すると大体「私、お酒飲まないんですけど・・・」と言われます。そこから間違ってるのですね。
肝臓の働きは多様で、アルコールの話は解毒機能の一部でしかありません。いや、この解毒の働きが重要なんですけど。
栄養価の高い物を皆さん好んで食べます。しかし摂り過ぎた栄養はどうなるか?それを考えて欲しいのです。処理しきれない分は毒になる。その場合、肝臓は余分な仕事を任される事になります。それが一時的なら耐えられますが、常習的に食べ過ぎてると、いよいよ耐えられなくなる。
肝臓は御存知の方も多いと思いますけど、お腹の右側にあります。(左に4分の1ありますが、整体では右と考えます)そこに痢症活点と整体では呼びますけど、解毒の急処があり、肝臓の状態が良くない人ほどここに異常感が強く出ます。
こうなると、体には毒素が充満する状態が出来ていますから、肝臓だけの問題じゃ済まない。体全身の問題です。血液にのって毒素は全身に運ばれるからです。
肝臓と関連する器官
肝臓はあっちこっちと連動してるので、全部書いてるとキリが無いので一部だけ。まず目ですね。東洋医学でも言う事ですが、目と肝臓は連動しています。食べ過ぎてると、目に異変が起こります。正常な人と比べると、色が違う。問題は正常な人が少なくなり過ぎて、異常に気付かないケースが非常に多い事でしょうか。専門家が見れば簡単に分かる程、全然色が違います。(カラコンしてても分かります。より詳しく観る場合には外して欲しいですけど)
ものもらい、結膜炎といった定番の眼病も肝臓の異常を表している訳です。
口腔環境も肝臓と連動してます。以前書きましたけど、虫歯のなりやすさは肝臓次第。だから肝臓に一番負担をかける食べ物は甘い物ですけど、「甘い物を食べると虫歯になる」というのは嘘じゃないのです。歯磨きを頑張ってるのに虫歯になる理由がお分かり頂けるかと思います。
筋肉も神経も肝臓と連動しています。肝臓が疲労していると、実は動きも悪くなるのです。アスリートが一生懸命に栄養を考えた食事しているのは、肝臓疲労を起こさないためと言えます。(そうは意識してない場合が多いですけど、結果として)
私はスポーツ整体を立ち上げて以降、日本代表選手をはじめ、様々なアスリートを担当してきました。そんな中で、「これは良い筋肉だな」と思えた選手はほんの一部。プロ選手でさえも、「これではダメだ」という場合がほとんどなのです。良いと感じた選手は、実際に競技成績も良かった。当たり前とも言えますが。
メンタルと肝臓も密接に関わっています。肝臓が疲労している人は、感情が不安定になります。だからそうでない時は温和な人だったのに、急に怒りっぽくなったとか、そういう時は肝臓の異常を疑ってみるのも有りです。
捨てる事の重要性
現代人は大体の人が栄養過剰ですから、摂り過ぎた栄養を如何に捨てるか?という事が重要です。排泄ですね。ですから便や尿、それに汗ですね。それらに関わる器官も余分な仕事をさせられる訳です。以前に「脳はブラック企業」と書いた事がありますが、その意味が分かるかと思います。
誰しもが捨てる力を持ってますけど、それも度を越してくると働けなくなる。捨てられなくなったら、やっぱり体中に毒素が充満してしまう。しかも捨てられないのだから、ずっと残る。それで皆さん、薬なんかを使って排泄しようとしますけど、それじゃ自力ではないから、本当の意味での問題解決にならない。そんな事を続けていると、いよいよ体は力を失ってしまって、自力じゃ生きられなくなる。
まあ、今はそういう人でも医療の力で生きられる様になりましたけど、健康に生きるという事からは大きく外れてしまう。だからずっと体調が優れない状態が続く。楽しくない。そういう事を感じながら余生を過ごす事になる。
そうならないために、今できる事がある訳ですね。食べ過ぎない、という事。
できる事があるというよりも、ただただ余分な事をしないだけなのです。
ちなみに、排泄に大きく関与する臓器が腎臓。肝腎要のもう1つですね。私が担当している人の8~9割ほどが、腎臓を弱らせています。美容にも非常に強く関わっている臓器で、皆さん美容に感心が有る割には無頓着だなぁと常々感じております。
まとめ
体調が悪い。だから栄養を摂ろう。体に良い物を食べよう。こういうのは愚の骨頂でしょう。根本からズレている。摂り過ぎた栄養によって体調を崩しているのに、さらに負担をかけようと言うのだから、これは意味不明な行動なのです。(現代日本でも、稀に栄養不足の方もいます)
そんな事は健康な体であれば、体からの要求を聞いてすぐ分かるのですが、現代人の体は非常に鈍く不健康になっており、全く気付く事ができないのです。これは大変な問題です。そんな状態で健康番組なんか観て、何かしらを実践していっても健康になんかなれやしない。もっと根っこの部分が狂ったままなのですから。
そういう訳ですから、整体がサプリなんか奨める訳無いのです。さらに栄養を詰め込もうという物ですから、ありえない話。整体の理論と完全に逆行します。
左右型3種の人は、食べる事が人生の目的みたいな所がありますから、食べ過ぎを止めるのが他の人より難しい。もともと胃腸の強い人達ですから、食べ過ぎても痛くもならないし、だから余計に止め辛い。しかしどこかで意識を転換しないと、やっぱり危険。
こういう人の心理誘導には、ちょっとコツがいる。
薬(漢方薬を含む)も、肝臓や腎臓に負担をかける物。常習的に薬を服用していると、どうしたって傷める。生きるために仕方無い場合もありますが、日本は皆保険制度によって薬が安く手に入り過ぎて、感覚が他国より麻痺してる感があるのは否めない。安易に服用し過ぎる。
薬が悪なのではなくて、使い方に大きな問題がある。そう思います。(薬自体が、それはどうなの?という物もありありますけど・・・)
当院には薬害によって体調を崩し、日常生活も通常通り営めなくなっている人が大勢来られます。処方された薬を飲めば治ると信じて飲んだのに、その薬によって体が毀れてしまった。それで入院だ手術だと言われたと。無料でアフターフォローするならまだ分かるけど、その後の治療は正規通りの価格で取るのですから、患者側から「信用できない」と言われたって仕方無いかと。やるべき治療を間違えた結果。
西洋医学が悪い訳でも無くて、ただ扱う人間に問題があった。3分診療の害って、人の体を毀す力も有る薬などを安易に使う様になる。医師の感覚が麻痺する事にあるのかなと、ちょっと最近思います。生命の軽視とも言えるでしょう。でも病院だってビジネスだから、3分診療ってなくならないのかな。もっと1人に時間を割けたら、日本の医療はずっと進歩すると思うのですけど。
ちょっと書きすぎました・・・。3連休なもんで、時間があるせいですかね。
しかしこの内容は本当に言いたい部分です。食べ過ぎ、栄養過剰を止めるだけで体調は大きく改善される。1食抜いただけでフラフラする人もいますけど、それは普段食べ過ぎてる証。そういう事に、体として気付いて欲しいと思います。