骨盤の話をしたばかりですので、せっかくなのでそれと関わるお話として、整体から観る男女差についてやりたいと思います。

誰でも分かる男女差の代表は生殖器ですが、機能や形状の違いだけでなく、注目すべきは内蔵されているのかされていないのか。
ほとんどの動物の場合、オスでも普段は生殖器が体の中に隠されていて必要に応じて臨時に外部に出てきます。そういう観点からも人間というのは変わっています。

この生殖器を骨盤内に内蔵しているかによって、骨盤の形状にも大きな男女差があります。
女性の場合は骨盤の状態で体全体の調子が大きく変わりますが、男性の場合はさほど全体には影響しません。
ですから骨盤矯正というのは男性にはほとんど必要ありません。

それから整体では子宮は脳と強く連動していると考えるのですが、それも女性の生殖器系は体内に内蔵されているためでしょう。外部に出ている男性の場合、生殖器系は生殖器系としての意味合いしかないようです。
ここからの話が非常に重要だと思うので、長すぎないように続きは次回に分けて書きます。

さまざまな手技療術が「整体」を呼称する時代ですから、消費者からするとややこしいと思います。
中にはなんとなくで、コレ効くんじゃない？
という思い付きの技法をお金をいただいてお客さんに提供している整体院も、聞くところによるとかなりたくさんあります。

では本来の整体はどうなのか？
と言いますと、莫大な数のデータを取りそれに基づいて操法や指導法を考案しています。
例えば女性が一番興味を持ってくれる「体癖」ですが、これなどまさに統計学です。体量配分計という測定器をタニタに依頼して作ってもらって、単に直立した場合や前屈した場合など、各体勢ごとの体重分散の違いを調べたのです。
すると明確な差があることが分かりました。体重分散の違いごとに分けると、見た目や性格もそれに合致してくるのです。詳しくは創始者の著書に記載がありますので、そちらをご覧頂きたいのですが、大雑把に説明しますとこうして体癖論はできたのです。

体癖を例に出しましたけど、整体とはこのようにしてしっかりとしたデータに基づいています。
これは創始者が妥協を許さない性格の方であったためだと思います。ある時は人々の食事の仕方、食べ方に着目し、それを調べるために一般向けの講義の際に昼食を振舞うことにしました。講義には１００人を超える人が毎回参加するため、かなりの出費。しかしデータを取るために１度だけではなく継続的にこれを実施。一度のデータでは偶然がありますからね。

さらに整体のこだわりはデータの取り方にあります。
生まれてから亡くなるまでを追跡的データなのです。もっと言えばその方が出産して、その子供もデータを取る。整体をした場合に産まれる子供はどんな子になるのか？と。これを数十万人規模でやるのです。
よくあるデータはその場その場で結論を出してしまうのが問題。育児論とかそうですよね。どうやったら偏差値の高い学校へ入れるか、とか。老後とか考えなくていいのかな・・・と。
昔、整体は会員制でした。もちろん強制じゃないんですけど、会員のお家って代々そのまま会員なことが多くて、そうしたこともあって宗教臭いイメージを持たれる方もおられるのですが、この会員制のおかげで上述したようなデータが取りやすいというのはあります。

感覚をとても重視している整体ですが、このようにしっかり統計を取って作られています。
わりと知られていない気がしたので書いてみました。

「機・度・間」と聞いて、それぞれが何を指しているか分かりますでしょうか？
とりあえず今回はその中の「機」についてをお話したいと思います。

機というのはタイミングのことです。整体の場合、これをとてもとても大切に考えます。
例えば食事のタイミングは時間で決めません。ちゃんとお腹が空いた時を狙います。色んな表現はあるのですが、私が師から教わったのは「食べ物を見て唾が出てきた頃」です。
現代人の場合はお腹が空く前に時間だから食べるとか、今しか食べる時間が取れないから食べておく、といったことがどうしても多くなっているかと思います。しかしこれは健康上はあまりオススメできない食事法と言えます。

整体を受けるにも最適なタイミングというのがあります。それは内容によっても異なるのですが、例えば産後の骨盤矯正であれば産んでからしばらくの間は骨が柔らかいのです。その間に調整すれば一番簡単ですし、その骨の柔らかい時期に変な負担がかかるとおかしな歪み方をしたものが定着してしまいますから、やはり産後は早期に矯正した方が良いと言えます。

他にも色んな場面で「機」は重要で、結婚のタイミングも機を見てしますよね。これを間違えると、本来ならばその人で良いんだけれどもまだその人が結婚に適した成長段階にないとか、仕事やお家騒動などのトラブルを抱えているとかで、なんだかんだ上手くいかなくなってしまうことが。
いわゆる出既婚を否定するわけではありませんが、やはり結婚するならちゃんとしたプロポーズがあって、それを機に結婚したいものです。整体の創始者流にするなら、そのプロポーズの時にお尻にブスっと指を差しちゃいます。「なにしてんねん」と思われるかもしれませんが、覚悟が決まっている人のお尻には指なぞ入らないのです。指が入るようでは口先だけ。


当院の利用者さん達の中にもブログを読んでくださっている方がわりとおられると聞きました。
良かったら皆さんが体験した「機」のエピソードを聞かせてくださいね。

１つ前の記事で書いた「手指と脳の関係」の話になりますが、整体師は楽器全般が原則として禁止です。
いや、別にそんな法律があるわけではなくて、整体界の常識としてですが。

理由は手が鈍くなってしまうからです。
ピアノなんか定番の楽器ですけど、あれも指が硬くなってしまうのです。
ギターで硬くなるのは想像がつくと思います。

しかしながら、有名なベーシストの方がおっしゃっていましたが、指が硬い間はまだまだだと。むしろ上達してくると指は柔らかくなるそうです。これはよく分かる話です。きっとそうなのでしょう。
その領域までやり込むなら、むしろ楽器は良いかもしれません。
だから原則的に禁止！というわけです。
そういえば整体を中途半端にかじった人も指が硬い場合が結構あります。それはまだまだだ、という証なのです。

前回からの続きで、整体が真に観ているものは骨でも筋肉でもないですよ、という話を。（前編を読まれていない方はまずそちらからどうぞ）

前回の話を踏まえて、ちょっと考えてみて欲しいお題を。
人体を構成する物質は皆同じはずなのに、なぜ個体ごとにこれほどの違いがあるのでしょう？
これって考えてみた事はありますか？
遺伝子情報が違うからと答えるでしょうか？


科学的・医学的には遺伝子の違いかもしれません。
しかし整体ではそれを「凝集力」と表現します。人を構成する物質は同じだけども、それをどう使うか、どれだけ集めるか、そうした事を決定する力。
凝集力が弱い人は生まれつき病弱でしょう。強い人は少ない栄養でも十分身体を養う事ができるでしょう。ガス交換能力も高いはずです。
そしてその凝集力を決定付けるものが「本体」ですね。前回書きました。本体は自分でどうありたいか、という事を無意識に判断して肉付けしていくわけです。もしかしたら現状の自分の事が気に食わない人もおられるかもしれませんが、それは本体が何かミスったかな・・・。まあ、私もコンプレックスの塊でしたから気持ちは分かります。
でもね、ミスというよりかは、本体は常にベストを尽くすと思っています。だからそれがその時の精一杯だった。本当はもっと胃腸も強く作りたかったけれども、そうすると生き延びる事ができないと判断した。より重要性の高い所にエネルギーを回した。結果として胃腸は弱くなったけれども、生きるのに困るほどではなかったから正解。
そんな事が内部的には繰り広げられていると思うのです。

あるいはですね、集めようと思ったけれど母体内にある素材が不足していた。その子の凝集力は十分にあったけど、どれだけ探しても素材が不足していたなら仕方ない。こういうケースもあるでしょうね。
この話になにか科学的根拠があるのか？と言われればありません！
だけど整体ではこの様に考え、それに基づいた治療や体育を長年に渡り行ってきた結果、各国の要人や有名な治療家達から支持されるに至ったわけです。
そうした功績も認められてか、整体の本家は公益社団法人となりましたし。
余談ですけど。


見た目で分かりやすい例としては不良少年がおります。不良少年と括ってしまうと例外が出てしまうから、イキってる子としましょう。
なぜイキってるのか？簡単ですね、注意を集めたいからです。
これを整体では「集注要求」と言いますけれども、もっと俺を見てくれ！という心の叫びが発現しているだけの事ですね。
これも凝集力と関わるわけです。
本体が他者からの注意を栄養として欲しているわけです。栄養というのは何も食べ物からだけ入ってくるわけではないという事です。
例外もあると言った不良少年の場合ですが、これは育った環境から、そうした生き方しか分からなかったケースがありますので。窃盗や薬物売買などで生計を立てる以外に生きる術を知らない様な。これは別に注意を集めたくて不良をしているわけではないですね。
とはいえ、その場合でも実は集注要求は働いていて、社会に「自分を認めろよ！」という形では発現しているとは思うのですけど。

だからですね、不良少年は派手な格好をしてますよね？
だけどプロのヤクザ者は割とシンプルな格好をしている事が多い。全員とは申しませんが。シンプルな中にもオシャレは忘れないというか、必ず清潔感ある格好をしていますね。随分と差があります。
ほとんどの不良少年は注意を集めるために悪ぶっているので、本当にそれで生きていこうとは考えていないのです。中途半端なのはチンピラとか半グレと呼ばれますけど、宙ぶらりんでいつまでも不良少年を続けますけどね。これは成長が止まっているのです。
思春期の頃に男の子は一度悪ぶりますよね。家庭内でだけ悪ぶるケースもままあります。「うるせぇクソババア」なんてね。私は一度も言った事はありませんが・・・。これは悪いのが格好いいだとか、モテると勘違いしての事です。思春期ですから、性が生きる中心になるわけです。悪いのがモテるというのは可笑しいのだけれども、とかくそういう者の方が精力が高く、異性から魅力的に観えるのでしょう。この時期はね。
だからある意味で、不良少年が多いのはそれに食いつく女性が多いせいです。最近は不良らしい不良をあまり見かけなくなりました。どうやら女性が不良に魅力を感じなくなってきた様です。


こんな例など出していたら終わりがなくなるので、この辺で終わっておきます。
整体が真に観ているもの、少しでも伝わりましたでしょうか？
マッサージは筋肉を、整体は骨を観ているなどというのは本当の様で本当ではない。この意味が伝わっていれば幸いです。
最後に、思春期を例に出しましたが、更年期というのもコレと同じですよ。旦那が奥さんの事をほったらかしにしてると集注要求が高まって、結果として更年期症状が強く出る。結婚生活も長くなってくる頃で、マンネリ化して大変かもしれませんが、御夫婦で上手いことやってもらって、新婚の時の様に奥さんだけを見ていれば更年期なぞ恐るるに足りず。