資格も民間資格です。
ですから、誰でも今すぐに整体師を名乗る事はできます。
が、当然ながら修行もせずに出来るほど簡単なものではありませんので、それでは形だけの事になってしまいます。
現在は、手技療法全般を整体という括りで捉えられている様ですが、整体は整体。他の手技療法とは全く異なる理論や技術を持っています。
マッサージやカイロプラクティック、接骨院(整骨院)などと混同されている人が多いのですが、手技であるという点以外の共通点を見つける方が難しいくらいに異なります。
残念ながら、最初に書いた通りの事を実践してしまっている人が結構おられます。
つまり、看板だけ整体院、肩書だけ整体師。そういう人が大多数おられます。
「就職できなかったし、民間資格で簡単そうだから、俺ちょっと整体師になるわ」というくらいに軽い気持ちの人が多いのです。
で、そういった人をターゲットにしているスクール?もまた、かなり多いのです。
こういうスクールというのは、それこそ人を騙す事に長けていますから、あたかも国の認定を受けているかの様な書き方をしていたり、著名な先生を講師陣として紹介していたり(実際には授業はしない)、認定証にも大仰な識別番号が入っていたり、無駄に英語だったりします。
本当にご注意ください。
整体スクールなのであれば、整体の歴史を含めた整体学の講義をする事は最低限だと思うのですが、していないスクールの方が圧倒的に多い現状。(つまり、整体がどういう成り立ちなのかを知らない整体師が大勢いるという事)
整体学を知らない人が整体スクールを運営しているから、間違った整体をそうとは知らずに広めてしまう整体師が急増している訳です。本人はちゃんと整体を行っているつもりで、実際は似ても似つかない、なんだかよく分からない手技をお客さんに提供してしまっているのです。悲しい話です。
先日、こういうものを見つけました。ご存知の方もいるかもしれません。
それは「マタニティ整体」です。
著書も今月発売されている様ですが、謳い文句が無茶苦茶。
「当時誰も行っていなかった妊婦整体を始める。独自の「マタニティ整体」を開発し、産前・産後のママさんたちに安心・安全な技術や知識を提供すべく、痛みの改善「マタニティセラピスト」、心のケア「マタニティコンシェルジュ」、知識の提供「マタニティエクササイズインストラクター」を育成している。
だそうです。
この人、一応名前はふせておきますが、今も生きている人です。
妊婦整体って、妊婦さんに整体をする事ですよね?
整体は第二次世界大戦中に創始してから、ずっと妊婦さんも整体してきました。当時誰もしていなかったって、意味不明ですね。この人は脱サラして整体師になったパターンですが、整体をまともに学ばずに、経営術だけでやってしまった典型的なパターンですね。
上記の様な「独自の・・・」という謳い文句は非常に危険だと思っています。
というのも、土台が全くない中で、本当に思いつき程度の事を声高に謳っているケースがあまりに多いからです。
「これまで無かった・・・」というのも問題で、東洋医学や整体では、はるか昔から普通に言われている事だったりします。
整体など何も知らずに、金儲けだけを考えた、経営術だけに秀でた人達が闊歩しているのが現在の治療業界でしょう。実際にこういう現状がある訳ですから、利用される方々は、見分ける術を身につけておく必要があるのかもしれませんね。
当ブログは批判的な事も多々書いておりますが、見分けるのには多少なりとも役立つ事を載せているつもりです。(批判的な事を書くと、無言電話などの嫌がらせが急に増えたりしますが・・・)
特に産後の骨盤というのは一生モノです。骨盤は骨盤だけの問題では済まず、全身の問題になりますから、本当によく注意していただきたいと思います。
本当に信用できる所が見つかるまで、時間をかけてでも探すべきだと、私は思います。
ちなみに、全く聞いた事もない資格をぎっしりとプロフィール欄や名刺に書いている自称治療家も多く見かけます。中には実在する資格とそっくりな名前の肩書を書いている人もいます。(それらしい名前の資格を自らが発行しているだけ。○○協会、というのも自分で勝手に設立してるだけで実情は空っぽ)
日本人は資格に弱い事で有名ですが、有りもしない肩書に騙されない様に、見る目を磨いて欲しいと思います。