口伝というのは文字では残さず口頭でのみ伝えていく、いわば奥義や秘伝のようなものですが、整体にもそれがあります。
古武術などと同じく日本の歴史の古いものですから、やはりこうした形態となっております。

とはいえ整体の成り立ちからしますと戦争によって代々受け継いで来た、あるいは自らが創始した優れた治療術が途絶えてしまうことを危惧し、それぞれの技術や知識を持ち寄って再構築され、それをたくさんの人に広めることで後世に残そう!
というものですから、原則的には幅広く色んな方に学んでいただきたいのです。

意外と奥義や秘伝の技術というのはシンプルなものが多く、そうしたものを初心の頃に伝えてしまうとそれに頼ってしまって基礎が疎かになりがち。基礎がないと全部が上手くいかなくなってしまうので元も子もありません。
なので伝えるタイミングを見計らう必要があるわけです。


最近の生徒たちは「整体を使って儲けよう」という熱心さではなく、整体を学ぶこと自体を楽しんでいる方が多い印象です。私個人としてはそうした姿勢が好きです。
いつも質疑応答の時間を設けるのですが、事前にノートに質問をいくつも書いてきていたりします。
するとこちらも教えていて楽しいものです。
ちょっと調子に乗って色々伝えすぎている気もしますが。